Nextcloud / ownCloud関係
自前でクラウドドライブを構築するソフト。インストール自体は簡単だが、sambaフォルダをマウントする際に少しハマったので、メモ。
今回はNextcloudに乗り換えたので、メモはNextcloudベース。ownCloudでもほぼ同じはず。
smbフォルダのマウント
Windows共有にNextcloudからアクセスしたい場合、外部ストレージアプリを使う。
Windows共有へのアクセスには、phpが直接アクセスする場合とsmbclientコマンドを利用する場合がある。前者の方が優先順位が高いようで、phpにlibsmbclientなどのエクステンションが入っていれば、そちらが優先利用される。速度も速いようだ。ただ、Gentoo Linuxの場合、公式のパッケージにlibsmbclientが用意されておらず、PCELでもインストールに失敗する(ソースを落としてきて手動でビルドすると問題なく利用できる)のでsmbclientコマンドを使うことにする。
環境によっては問題なく利用できるのだが、手元の環境ではphp-fpmを利用しており、そこでうまく動かなくてハマった。結論としては、環境変数がうまく設定されておらず、smbclientコマンドが呼び出せずに失敗していた。
以下のファイルにsmbclientコマンドのPathを取得する関数がある。
${prefix}/apps/files_external/3rdparty/icewind/smb/src/System.php
public function getSmbclientPath() { if (!$this->smbclient) { $this->smbclient = trim(`which smbclient`); } return $this->smbclient; }
この中のwhichコマンドでsmbclientのフルパスを取得しようとするのだが、サーバの環境変数PATHが適切に参照できないために、コマンドが存在しないというエラーになる。
原因を追究したところ、php-fpmの設定で環境変数をクリアするというものがあった。デフォルトでは環境変数をクリアするようになっているので、以下をnoに設定する。
clear_env = no
そうすると、環境変数が設定されるためPATHも通るのでwhichコマンドが成功して、smbclientコマンドが利用される。
ついでに、試行錯誤の途中で気づいたのだが、smbclientがデフォルトで使うプロトコルのバージョンはNT1となるようで、現在では古い。セキュリティ対策でサーバ側で「min protocol = SMB2」などと設定していると、接続できない。この点については、設定で対処できないようなので、Nextcloud側のソースを修正して対応する。smbclientのデフォルトで使うプロトコルバージョンを変更できればよいのだが。。
先に示したファイルのsmbclientコマンドを返す関数に「-m SMB3」などのオプションをハードコーディングしてしまう。
${prefix}/apps/files_external/3rdparty/icewind/smb/src/System.php
public function getSmbclientPath() { if (!$this->smbclient) { $this->smbclient = trim(`which smbclient`); } return $this->smbclient . " -m SMB3"; ^^^^^^^^^^^^^ }
これで、smbclientコマンドが呼ばれる際に、より上位のプロトコルで接続されるようになる。接続するサーバによって設定を変える必要があるが、とりあえずこれで対応できる。